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マイケル・アモットスペシャルインタビュー
いよいよ8月25日に、Spiritual Beggarsの5年ぶり、通算7枚目となるニュー・アルバム、「Return To Zero」がリリースになりました!そこで、日本のファンのために、マイケル・アモットが特別にインタビューに答えてくれました!その中ではなんと、アルバム収録全曲の解説もしてくれました。
曲を聴きながら解説を読んで、より深くスピリチュアル・ベガーズ・ワールドを堪能してくださいね!


−まず、今回のアルバムでは、ヴォーカルが変わったという大きな変化がありましたね。その経緯を教えてください。

まず最初に言わせてもらいたいのが、俺は常にこのアルバムをJBのヴォーカルがのるものだと思って構想を練っていたということだ。だって、彼とは何回も話 合っていたし、3枚目のアルバムを一緒に作るのが楽しみだねって意見が一致していたんだから。
でも、去年の年末に、スピリチュアル・ベガーズの新譜にまじめに取りくむときがついに来たということで、JBに、2010年の早い時期にスタジオに入る計 画だと告げたとき、彼は俺に、スピリチュアル・ベガーズのアルバム制作と、それに続くライブにに身をささげることはできないと知らせてきんだ。それは、彼 が自分自身のバンドに専念するためと、一緒にレコーディングをしている人間とツアースケジュールが、俺たちが計画してたそれとぶつかってしまうということ もあった。これはもちろん俺たちスピリチュアル・ベガーズ陣営にとってはすごく悪い知らせだった。
本当をいうと、JBなしでは新譜は作れないと思った。新しいボーカリストを大々的に探す、なんていう気分ではなかった。だけど、今まさに制作中のレコード でJBが歌うことはないんだというのは動かぬ事実だった。だから、次の一手をどうすればいいか、全くわからない状態だったんだ…。
そんなクリスマス休暇のある日、ドラムのラドウィグから電話をもらった。彼いわく、彼の友人であるアポロをボーカルにしてみてはどうかというアイディアがあるという。俺の最初の反応は、彼が優れた歌い手であるのは知っているが、メタル色が強すぎて、スピリチュアル・ベガーズのようなロック色を出すには不十分かもしれないと感じていた。でも俺が間違っていたというのが、最初のリハーサルで明らかになった!アポロはJBや、初代のヴォーカリストのノリまで確実にものにしていた。その同じ夜に、俺たちは楽曲「SPIRIT OF THE WIND」の俺のアイディアをもとにジャムってみたが、彼のヴォーカルがのると、素晴らしい音になって、それはもう震えがくるほどだったよ!マジで感動して、今まさに、新しい声を迎えてスピリチュアル・ベガーズの新譜を作るときが来た!と実感したというわけだ。

−それは楽しみなアルバムですね。では、早速ですが、それぞれの曲の解説をお願いします。

1.リターン・トゥ・ゼロ(イントロ)(RETURN TO ZERO(Intro))
とてもクラッシックでヴィンテージなキーボード・サウンドでアルバムはスタートする。俺がペルに、何かアイディアがないかどうか聞いたら、それに答えて自宅のスタジオでこの小曲を作ってくれたんだ。 俺はすぐに曲が始まるようにアルバムをスタートしたくなかったんだ…だからこのイントロは、1曲目に突入する前の完璧なムードと雰囲気を醸し出しているよ。


2.ロスト・イン・イエスタディ(LOST IN YESTERDAY)
アルバムのオープニング・トラックを選ぶのは、いつも難しい。 この曲は、旋律が力強く、スローで、威嚇するようなグルーヴがあるから選んだ。過去のアルバムのオープニングとは劇的に違ってるよね。俺はスピリチュアル・ベガーズのファンを驚かせたかったんだ−いい意味でね!アポロのヴォーカルは、この曲で超強力で、パワフルで、それは、バンドの新しい声を紹介するという意味で重要なことだ。曲はキーボードのパートへ崩れ落ちていって、それからギター・パートへと、ゆっくりとエモーショナルに、叙情的な感じで進んでいく。スタジオでは、すごくクールで、多少複雑なステレオセットアップでギターを弾いたんだ。基本的に、俺のメイン・エコー・エフェクター「Rockman Analog echo」(80年代初期のユニットで素晴らしい音がする)と、俺の古いMarshal JCM 800 2005 50wのアンプヘッドをつないだんだ・・・。


3.スター・ボーン(STAR BORN)
“スター・ボーン”は、かなりテンポが早めの曲だ。 これは、もともと2002年のアルバム「オン・ファイアー」のために書いた曲だったんだが、俺たちは完成させることが出来ずに、アルバムへ収録するにはいたらなかった。 曲は、俺と、ラドウィック、ペルで書き上げた。歌詩は、曲から感じて取れる前向きなアップビートな詩を俺が書いた。


4.ケイオス・オブ・リバース(THE CHAOS OF REBIRTH)
俺たちが、アーカイヴから掘り起こしたもう一つの曲...2005年のアルバム「ディーモンズ」を制作していた時に書いた曲だ。俺は曲に凄い可能性を感じていたが、歌詩を思いつかなかった。今回、アーク・エネミーのアンジェラの助けを借りたんだ。 彼女はこの曲が偉大なシンガー、ロニー・ジェイムス・ディオへのトリビュートに値すると考え、歌詩を書いてくれた。あとでわかったことだが、多くの人がこの曲をこのアルバムの最も好きな曲として、評価しているんだ! ラドウィックのファンタスティックなドラミング...ドラムの音は、キャノン砲の砲撃で満たされているようだ。おそらく、これまでスピリチュアル・ベガーズでレコーディングされたなかで、最もへヴィな曲じゃないだろうか?


5.ウィ・アー・フリー(WE ARE FREE)
とてもクラッシックで、シンプルなリフと曲の構成ーライヴには完璧だ。この曲のために俺が書いた歌詩は、まさにライブで生み出される魔法と、ステージと観客との間に行き来するエネルギーについてのことだ。ギター・ソロの、セカンド・パートのところで、コーラス・エフェクト・ペダルの音を聴くことができるが、これは俺がeBayで見つけたヴィンテージものなんだ。


6.スピリット・オブ・ザ・ウインド(SPIRIT OF THE WIND)
これだけは言っておきたいんだが、この曲にはとても誇りを持っているんだ。なぜなら、今までアルバムで書いてきたり、弾いてきたりした曲とはとても違ったものだからだ。その意味で、この曲はやりがいがあった。俺は、Fleetwood Mac, Mike Oldfield, Peter Gabriel…のような70年代音楽のビック・ファンであり、 この曲はそういった音楽に影響を受けてるよ。ラドウィックは、俺がだしたこの曲のドラムのアイデアについて少し混乱していたけど、最終的にはとても上手く行ったと思う。また、この曲でのアポロのパフォーマンスもすごくエキサイティングだよ。



7.カミング・ホーム(COMING HOME)
この曲は、すごくストレートなメロディック・ロック・ソング。UFOにもしかしたらちょっとシン・リジーの雰囲気を加えたような(?)そういった感じかな。どんな風に聴こえるかははっきりとは言えないけれど、最終的にはやっぱりスピリチュアル・ベガーズの音に聞こえるといいと思う!ライヴでプレイするのが楽しみだよ!


8.コンクリート・ホライズン(CONCRETE HORIZON)
アルバムの中で、個人的に気に入っている曲のひとつだ。シンプルで単調なグルーヴがあって、強力なコーラス・メロディが炸裂する曲を作りたかった。
歌詩は、強い自由への思いについて歌っている。歌詩と曲がぴったり合ってると思う。



9.ア・ニュー・ドーン・ライジング(A NEW DAWN RISING)
このアルバムにおけるアポロの影響は、コーラスにおいて際立っている。とてもメロディックで、もしアポロでなければ、こんなにメロディックな曲はできなかっただろうね。 この曲における素晴らしいキーボードとリフは、心地よいグルーヴとスイングをもたらしてるよ。



10.ビリーヴ・イン・ミー(BELIEVE IN ME)
この曲は、ヴォーカルにおいてブルージーなロックのアプローチをしている。俺たちは、70年代後半のとてもクールなホワイトスネイクのサウンドを目指して いた。ここでもまた、ペルの素晴らしいキーボードをフィーチャーしてるよ。
ペルはスタジオで熱狂的に演奏してくれたんだ! 曲の終わりで、演奏をし続ける様子が本当に最高で、ー誰もリフを止めたがらなかったーそれがみんなに伝染していったんだ。
この曲をレコーディングしている間、俺たちはスタジオで素晴らしい時間を過ごしたんだ。



11.デッド・ウエイト (DEAD WEIGHT)
これは、ペルが全てのアレンジを完成させた状態で持ち込んだ曲だ。俺たちは、それをバンドとしてリハーサルして、みんな気に入ったからレコーディングしたんだ。
個人的には、メランコリックなフィーリングがあって、ギター・ソロをレコーディングするのが、楽しかった。とてもスローで、初期のZZトップのスタイルのブルース・フィーリングがあるんだ。


12.ロード・レス・トラべルド(THE ROAD LESS TRAVELLED)
これもまた、 これまでの俺が作るのとは違った曲だ。ギターで作ったが、俺の頭の中ではメインの楽器として、いつもピアノを思い浮かべて作った曲だ。ペルがピアノのアレンジ面で助けてくれて、すばらしい仕事をしてくれた。
おそらく、かなり意外な形のアルバムの終わりだろうが、俺としては、アルバムの終焉を感じさせるナイスな曲だと思うよ。

−さて、10月にはラウドパーク10で来日しますね?マイケル個人として、 2006年から連続でラウドパーク出演という記録を更新することになるわけですが、今回のSpiritual Beggarsのライブはどんなライブになるのでしょう?

メンバー全員、とっても楽しみにしているよ…このニュー・アルバム「Return To Zero」とバンドのニュー・ラインナップを紹介するには、完璧な場だと思う。神戸でもプレイすることが出来ると聞いて喜んでる。

−最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします。
5年もの間、スピリチュアル・ベガーズの音楽とライヴから待たせてしまって、 ファンの人には申し訳なかった。 10月ラウドパークで会おう!ロックしようぜ。
sb return to zero cover

RETURN TO ZERO(XNTE-00021) 発売中!
初回盤はジャケットステッカー、ポスター封入の豪華盤となっております。
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